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訴訟を起こす

裁判所の外観

クーリング・オフによる契約解除を販売事業者に通知したが、それに応じてもらえない。
悪質な業者に引っかかってしまうと、こういった事態にまで拗れてしまうことも珍しくありません。
消費者の権利として認められているクーリング・オフですが、相手に応じる意思がそもそもないとなると、それによる返金は望めません。

こうなると、残された手段は訴訟を起こすこととなります。
この手の悪徳業者は、消費者の泣き寝入りや根負け狙いをしていて、いざ法廷で争うようなことになればあっさりと和解に応じるケースが大半なようです。

クーリング・オフや返金交渉に応じてくれないからと言って諦めてはいけません。
悪徳業者に対して訴訟を起こすための手順や費用など、その予備知識となる情報をまとめました。

訴訟を起こすまでの手順

裁判所と言ってもたくさんあります。
まずどこの裁判所に申し立てをしたら良いのかですが、これは原則として「相手方」の住所を管轄する「簡易裁判所」と覚えておきましょう。

申し立ては裁判所に直接足を運ぶか、郵送で提出します。
次に提出する書類ですが、以下の通りです。

①訴状

簡易裁判所の現地にも用紙はありますが、裁判所のホームページからダウンロードする方が手間もかからないので楽でしょう。
訴状(申し立て書)の雛形はこちらからダウンロードできます。

参考裁判所:申立て等で使う書式
https://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/index.html
訴状のひな形
②添付書類

契約書など、争いとなる部分に関係してくる証拠となるものも、提出する必要があります。
その他、当事者が法人ならばその登記簿謄本、当事者が未成年ならばその親権者を証明する戸籍謄本など、状況に応じて提出が求められます。

この他、裁判を起こすための手数料も訴状と一緒に送る形になりますが、次に詳しく書きます。

訴訟にかかる費用

①手数料

申し立てには手数料がかかります。こちらは現金や振込みではなく、「収入印紙」を訴状に貼り付ける形で支払います。(例外として、手数料が100万円を超える場合は日本銀行を通じて現金で納付することが認められています。)
手数料は、当該訴訟により求める金額に応じて変動します。

訴訟で相手に
請求する金額
手数料額の増え方 手数料金額
10万円〜100万円まで 請求額10万円毎に1,000円UP 1,000円〜10,000円
100万円〜500万円まで 請求額20万円毎に1,000円UP 11,000円〜30,000円
500万円〜1,000万円まで 請求額50万円毎に2,000円UP 32,000円〜50,000円
1,000万円〜1億円まで 請求額100万円毎に3,000円UP 53,000円〜320,000円
②郵便切手代

これは、裁判所から当事者(原告・被告)宛に訴状等の書類を郵送するための代金です。
これをあらかじめ訴えを起こす側が納付しなければなりません。
こちらの金額設定は、各裁判所によって若干異なりますが、目安として以下の東京地方裁判所の例をご覧ください。

原告・被告の当事者双方が1名の場合6,000円。
当事者が1名増えるごとに2,178円ずつの加算。

実際に自分で訴訟を起こす際は、各裁判所に確認する必要があります。

③弁護士費用
テーブルに置かれた弁護士バッジ

訴訟を起こすところまでは、自分で進めるのもそこまで難しくはありません。
しかし、もし相手が争う姿勢を見せてきた場合、やはり専門家である弁護士に代理を依頼することも考えなくてはならなくなるでしょう。

そうなると弁護士費用もかかります。
弁護士費用については、こちらのページでご確認ください。

訴訟のデメリット

泣き寝入りを狙う悪徳業者にとって、訴訟は大きなダメージを与える効果的な手段ですが、それを完遂するにはいくつかのデメリットも受け入れなければなりません。

①費用がかかる
コストが嵩むイメージ

一つは「それなりに費用がかかってしまう」点でしょう。
お金を取られて困っているという状況で、さらに訴訟の手数料や弁護士費用など様々な出費が降りかかってくるのは、なかなかハードだと言えます。

最終的に裁判費用は裁判で負けた側が負担することになるとは言え、確実に勝てる保証もないですし、弁護士費用の負担は依頼人である自分であることに変わりません。
裁判が長期化すれば、その分だけ費用が膨らむというリスクもあります。

②時間がかかる
時間の経過と共にお金がかかるイメージ

訴訟へと踏み切った後、相手が早い段階で和解などに応じてくれれば良いのですが、万が一全面的に争う姿勢を見せてきたときに事態はややこしくなっていきます。
単純に結果が出るまでの期間が長引くだけでなく、その期間内に弁護士との打ち合わせや資料の用意に相当な時間を割くことになります。
それまでの生活リズムや仕事のサイクルに支障が出る可能性もあり、大きな支障になりえます。

実際に、現在の日本の裁判制度最大の課題がこれと言っても過言ではありません。
多くの改善要求が寄せられているにも関わらず、いまだに当事者からしたら理解しがたいレベルで時間がかかるのが実情です。
金銭面、精神面のいずれでも負担が大きくなる可能性を考慮した上で、訴訟に踏み切るかは決めなければいけません。

③相手方の廃業
倒産のイメージ

最初から悪意を持って運営しているような事業者は、消費者に訴えられるといった最悪な状況ももちろん想定しています。
そういった時に起こりえることとして、業者が意図的に廃業して逃げてしまう、といったことがあります。
仮に裁判に勝ったとしても、返金を求める相手がすでに破産しており、ない袖は振れないとばかりに開き直られると、肝心のお金を取れないことも…

悪徳業者に対する抑止のために

返金トラブルが拗れた時に、訴訟を起こして裁判に訴える、というのは有効な手段の一つであることには違いありません。
しかし、それを行うにも多大なエネルギーと費用を要するという意味では、やはりできれば避けたいところです。

実際に泣き寝入りする人が多いのも事実です。
しかし、それでは相手の思う壷。
ご自身の今後のため、そして悪徳業者にダメージを与え、さらなる被害を減らすためにも妥協せずに行動を起こすべきです。
そしてなによりも大事なことは、そういったトラブルに巻き込まれないためのリテラシーを自分自身が身につけることです。

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