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ソーシャルゲームと返金

2007年にグリーが日本で初めて携帯電話向けのゲームをヒットさせたことを起点に、ゲーム業界は大きく様相が変わっていきました。
ファミコンやプレイステーションのような家庭用のハード機をまず普及させ、買い切りとなるソフトをそれに付随して販売していくのがそれまでの主流でした。

対してそれとは別に、まずは無料でゲームを携帯電話やスマホにインストールさせ、その後にゲーム内で課金させることによって売上をあげていく新しいスタイルができたのです。
インターネットを通じて他のユーザーとの繋がることもできるこのようなジャンルはソーシャルゲーム、略して「ソシャゲ」と呼ばれており、現在もゲーム業界を席巻しています。

しかし、ソシャゲの特性ならではのトラブルもこれまでに多く発生しており、中には社会問題にまで発展したものもありました。
「ゲームへの課金」という新しい概念は、過去に例のない問題を多く生んでしまったのです。
ここでは、ソシャゲ業界で過去に起きた大きな返金騒動などを、具体的な事例を挙げながら見ていきたいと思います。

据え置き型とソシャゲの違い

家庭用ゲームのコントローラー

ソシャゲの登場前は、ゲームと言えばまずハード機が必要でした。
子供の頃、誰もが自分のお小遣いでは到底買えないようなゲーム機を親にねだったことはあるのではないでしょうか。

ハードが手に入ったら次はソフトです。だいたい新品で5,000円~10,000円程度で買えるものが多く、一度買ってしまえば永久に遊び放題でした。そもそもそれが当たり前だったので、遊び放題でお得だ、なんて感覚もなかったですね。

それに対してソシャゲは、いわゆるハードは自分が持つ携帯電話やスマホであり、ソフトに関してはなんと無料です。端末さえあれば、誰でも無料で遊べるところが大きな違いです。
しかし無料な分ソシャゲの方がリーズナブルに遊べるのか、というとそんなことはありません。
いやむしろ、ソシャゲの方が従来のゲームよりも圧倒的にお金がかかる、といっても差支えないでしょう。そのカギとなるのが課金です。

課金とは
スマホゲームへの課金

ゲーム会社はボランティアでゲームの提供をしている訳ではありません。
無料でゲームの提供だけして終わってしまっては、たちまちその開発会社は倒産してしまいます。
ではどのようにして収益を上げているのか。それはユーザーの課金によって賄われています。

ここで言う課金とは、ゲーム内で使用できるアイテムや通貨をお金で買うこと、です。
支払いはクレジットカードやWEBマネーなどを通じて行います。

課金はゲーム側から強制されるものではなく、あくまでユーザーの任意によってする・しないは決められるのですが、ほとんどのソシャゲに課金したくなるような仕掛けが散りばめられています。

それは例えば

ユーザー同士で競わせてランキングする
定期的に強力な新キャラクターなどを登場させる
課金しないと手に入らないものを用意する

など様々です。

課金によるトラブル

金銭感覚の麻痺による散財

最初が無料なだけに、少しくらいなら…という気持ちを起こさせるように、少額で非常にお得な課金パックなどが用意されていたりするのもよく見るパターンです。
そこで一度でも課金をしてしまうと、いつの間にか感覚が麻痺していき、課金をするのが当たり前な状態に陥っていく。

最初は数千円から始まった課金が数万円、それが重なっていき総額で数百万円、なんてケースは決して珍しくありません。
家庭用ゲーム機が主流の頃には考えられなかったことです。

ソシャゲに没頭するあまり、仕事や勉強が手につかなくなったり、自分の身の丈に合わないようなレベルでの課金をしてしまうような人が出てきてしまったのです。
収益を追求していったソシャゲの運営会社が、いかにユーザーに課金させるかを突き詰めた結果、道徳上許されないような悪質な手法で課金を煽るようなことも平気で行われるようになり、これが社会問題となりました。

また、クレジットカードやWEBマネーの普及もその原因の一つかもしれません。現金を目の当たりにしないままボタン一つで買い物ができてしまうことは、手軽さというメリットがある反面、金銭感覚を狂わせる可能性というデメリットもあるのです。
消費者庁も悪質なソシャゲ運営会社の手法を問題視するようになり、その後さまざまなルールが敷かれることとなりました。

返金は可能なのか

煽り方などに過去さまざまな問題があったとは言え、課金という行為は運営会社が提供するサービスを購入する、という契約に基づいて行われるものです。
基本的には課金した後になって、冷静になってやっぱ取り消したいから返して!と言ってもそれは通用しません。
課金して得たゲーム内のアイテムなどを使用したりした後ならなおさらです。

しかし、明らかに運営側に落ち度がある場合はこれに限りません。
これまでに運営の不手際やゲームのバグを理由に、大きな返金騒動へと発展した具体的事例から見ていきましょう。

サイバーパンク2077
サイバーパンク2077の公式ホームページ

最初に挙げるサイバーパンク2077ですが、こちらは携帯端末向けのいわゆるソシャゲではありません。
PCやプレイステーション4などを対象に販売されたオンラインゲームで、発売前から多大な注目を集める存在だったのですが、リリース直後から大炎上します。

発売の延期が何度も繰り返されたことにもありますが、最大の理由は明らかなスペック不足にありました。
重大なバグが多発し、とてもではないですが快適に遊べるゲームではなく、ユーザーからの不満が爆発しました。

グランブルーファンタジー
グランブルーファンタジーのストーリー

大手IT企業であるサーバーエージェントのグループ会社「Cygame」が開発し、こちらもソシャゲ界では有名なMobageが運営する形でリリースされたグランブルーファンタジー。
リリース当初から現在に至るまで、常にソシャゲの売り上げランキングでも上位をキープするなど、人気を維持しています。

しかしそんなグラブルも、過去に大きな返金騒動を起こしています。
ユーザーの有利誤認を誘発させるような悪質な手法で課金を煽り、その結果消費者庁までが動く事態へと発展しました。

ドラゴンボール ドッカンバトル
ドラゴンボールドッカンバトルのロゴ

ドッカンバトルほど炎上を多発させたソシャゲは他にないでしょう。
ドラゴンボールという超人気アニメがベースで、その注目度が高かったことも炎上が大きくなった要因かもしれません。

騒動の発端は、ガチャの排出率がユーザーによって変わるように操作されているのではないか?という疑惑。
放っておいてもどんどん課金するユーザーに対して排出率を下げることにより、売上を伸ばすという魂胆による故意のものだとすれば、これは許されることではありません。
この騒動の顛末と、運営が取った対応について詳しくはこちらから。

その他にもあるトラブル

ありがちな課金トラブル

ソシャゲの課金におけるトラブルと言えば、他にも親のスマホを使って子供が勝手にゲームに課金していた、といったものも非常に多くあります。
子供はお金の価値もよくわかっていないだけに、できるとわかった後には思うがままに課金を繰り返してしまいがちです。
クレジットカード会社からの請求が来てその額に驚くわけですが、このケース、基本的にゲームの運営会社はもちろん、販売窓口となっているiTunesストアやGooglePlayストアも返金には応じてくれません。
あくまで規約に書いてある範囲内でのことであり、管理を怠った親の責任、という訳です。

しかしながらここで諦める必要はありません。
消費者センターを足掛かりにして、ゲームの運営会社との交渉の機会を得て、そこからの粘りによって全額返金を勝ち取った例があります。

その詳しい経緯や手順について、わかりやすくまとめたnoteの記事がありますので、こちらをご覧になってみてください。

参考子供が課金した74万円を全額取り返した体験談
https://note.com/note817614/n/n08349a1f453e

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