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クーリング・オフとは

私達は日常生活を様々な契約の下、過ごしています。
例えばスーパーでの買物や電車に乗るのでさえも、そのスーパーの運営会社や鉄道会社との契約の上で成り立っているものなのです。

100円で玉ねぎを売ります。
その玉ねぎを買いたい、という消費者の申し出に対してスーパーがそれを承諾することにより売買契約は成立。

新宿まで160円で電車に乗れます。
その料金払うので電車に乗りたい、という利用者の申し出に対して鉄道会社がそれを承諾する、という契約がそこにも発生しています。

双方の利害が一致し、意思表示することにより成り立った契約は、基本的に一方の事情で破棄することはできません。
「契約」とはそういったものでなければ、その存在そのものに意味がなくなります。

双方の意思の下に成立した契約

ただし、その原則は果たして「すべての」契約に当てはめていいものなのでしょうか。
複雑化する現代社会において、これまでになかった新しい商慣習が次々と生まれる中、この原則に固執すると不都合な場面が増えてきたのです。

例えばアポなしの訪問販売。ある種の不意打ちとも言えるこの強引な販売手法は、時に消費者の冷静な判断力を阻害する場合があります。

セールスマンの言葉に乗せられてその場で契約をしたものの、時間の経過と共に冷静になり、考え直してみるとどうもそれは間違いだったのではないか、という考えに至った。
そんな時に無条件で契約の解除を申し出ることができる、というのがクーリング・オフ制度です。
特定商取引法に基づいて消費者保護のために用意されている「クーリング・オフ」について詳しく見ていきましょう。

クーリング・オフの対象と期間

クーリング・オフはすべての契約に対して使えるものではありません。
さすがに全てを対象としてしまえば、販売事業者が著しく不利になってしまい、バランスを損なうためです。

では、どういった契約に対して有効なのか、その期間等も含めてまとめました。

クーリング・オフが適用可能な契約とその期間

8日間有効

種別
訪問販売 キャッチセールス、アポイントメントセールス、催眠商法等
電話勧誘販売 不動産投資の勧誘、ネット回線の勧誘等
特定継続的役務提供契約 エステティックサロン、学習塾、結婚相談所等
訪問購入 自動車、家電、貴金属などの買取等

20日間有効

種別
連鎖販売取引 マルチ商法
業務提供誘引販売取引 モニター商法、内職の斡旋等
対象外となるもの
契約書と印鑑

自ら店舗に足を運んで購入するような一般的な買物や、通信販売についてはクーリング・オフの対象外となります。
理由は購入を検討する時間を自分で持つことができ、その上で決断した契約と見られるからです。

その他にも細かい条件が設定されています。

例えば、代金が3,000円未満で現金取引をしたものはクーリング・オフ対象外となります。
あまりにも対象が増えすぎると手続きの煩雑化を招くからでしょう。

そして、個人ではなく業務用として契約したものに関しても、適用外です。
クーリング・オフはあくまで消費者個人を保護するためのもの、ということであり、事業者同士の契約には介入しないものとされています。

また、当然ながら定められた期間を過ぎたものをクーリング・オフすることもできません。
冷静になって考えるためには充分なものとして定められているものである以上、その期間を超えたら契約を容認したものと見られるからです。

ただし、そもそもの契約書に不備があることが発覚したり、販売事業者によるクーリング・オフの妨害などがあった場合には例外的に期間を過ぎても適用が可能になります。
状況に応じて消費者センターに相談してみても良いでしょう。

通知の仕方

内容証明郵便の用紙

契約解除の意思、つまり「クーリング・オフしますよ!」という意思表示は「書面」で行うことが鉄則です。
事業者に口頭で伝えても、「そんなのこと聞いていません。」と言われてしまえば意思表示をしたことの証明は難しくなります。(電話を録音でもしておけばまた話は別ですが。)

さらに言えば、ただ単にハガキや便箋で送るだけでも足りません。
いつ、誰宛にどういった内容の書面を送ったのかを明らかにしておくために「内容証明郵便」を使いましょう。
それにより、郵便局が第三者として郵送した日付とその内容を証明してくれます。
これで、クーリング・オフ通知を受けた事業者は、「知らない。」と言い逃れすることはできなくなります。

郵送する書面は、念のため自分でもコピーした控えを取っておきましょう。
また、クレジットカード支払いによる契約の場合には、販売事業者だけでなくクレジット会社にもクーリング・オフの通知をしておく必要があります。

クーリング・オフを通知する書面の書き方

「契約解除通知」と聞くと仰々しく感じるかもしれませんが、特に難しいことはなにもありません。
販売事業者に対して、こちらの「契約解除」の意思がはっきりと伝わりさえすれば形はどんなものでも構わないのです。

ここでは、一つのテンプレートを用意しましたので参考にしてみてください。

契約解除通知書のテンプレート

契約解除通知書のテンプレート

契約を解除したい。」「契約は無効だから返金してほしい。」「必要ないので商品を引き取って欲しい。」この3つの意思を伝えることがポイントです。

クーリング・オフを使うのに理由は必要ありません。
そして、この通知を内容証明郵便で行う場合、内容証明郵便用紙を使うことになります。
1行20文字、1枚26列の用紙ですが、おそらく1枚に収まるかと思います。先ほどのテンプレ通知書を内容証明用紙に当てはめると以下のような形になります。

内容証明郵便による契約解除通知

内容証明による契約解除通知

内容証明郵便の用紙は文具店で市販されているものに手書きでもよいですし、ネット上でダウンロードできるword形式などのテンプレに打ち込む形どちらでも構いません。
自分に都合の良い方法で用意しましょう。

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